『Queen Emma Summer Palace Hanaiakamalama 』
ー エマ王妃 夏の宮殿 ー
ワイキキからハイウエイでエアポート方面へ、車で20分ほどドライブ。
「ヌーアヌの谷」にあります。
エマ王妃は、カメハメハ四世の妻で、民間からお嫁さんにきた大変美人さんな王妃。
貧しいハワイ人のために、ハワイ最初の病院を建設したり、大変な尽力者であったそうです。
1800年中頃、暑さと埃を逃れる別荘として、エマ王妃とその夫カメハメハ四世、そして幼少の息子アルバート・エドワード王子が幸福な時を過ごした宮殿です。
ハワイ諸島では、残り少ないギリシャ風リバイバル様式で、当時流行した東部建築様式とハワイ建築様式が融和された独特の建築。
決して派手さは無いけれど、森からの風が入って、中は大変涼しく過ごしやすい空間でした。
息子のアルバート王子は、僅か4歳で病死してしまいました。
名付け親は、英国のヴィクトリア女王。
驚いたのは、ヴィクトリア女王自身の髪の毛で作ったという腕輪の贈り物。
何よりも貴重な信頼の証を表す贈り物であったはずです。
フランスのナポレオン三世や、中国の皇帝、マハラジャの皇帝からの贈り物も多く展示されていて、ハワイ王室と各国の王室との繋がりを感じました。
今では大変貴重なコア、コウ、ミロ、カマニ、四種類のハワイ特有の木が使われた、アルバート王子のゆりかご。
鳥の羽でつくった、見事な『王室用マント』がありました。
ハワイ固有の鳥『イイヴィ』の小さな赤い羽と、絶滅したハワイ固有の鳥『マモ』の黄色い羽を何千枚も束ねた『マント』。
『赤』と『黄』は、ハワイ王室の色です。
このマントをを作るために、鳥から直接取るのではなく、鳥が落とした羽を集めて作ったそうです。
なんとも、気の遠くなる作業です。
動物や鳥に植物、自然を愛するハワイ王室のこだわりが感じられました。
そして、客間には、夫の死後、王妃がヨーロッパへ旅行中に、ドイツのドレスデンで購入し、帆船で運ばれたというグランドピアノもありました。
宮殿の中は撮影禁止で、その素晴らしさをお伝えできないのが残念。
宮殿の敷地内には、65エーカーもの、広大な庭園があります。
ハワイ自生の植物が数多く見られます。
『クイーンエマ・ハイビスカス』
黄色葉をつけた『ククイ』(ロウソクの木)や、繊細なレースのような『シダ』。
『パラパライ』『オヒアレフア』や『リコレフア』など、フラで用いるレイに使われるような花も沢山自生しています。
かつて、濃いピンクの『ロケラニ』と、小ぶりの『キャスティン』の二種類の薔薇が咲誇っていたそうです。
こんもりと枝を絡ませた『ハウの木』。
大変丈夫で軽いので『カヌー』の浮材として使われ、その花は薬として使われています。
この辺りは山と谷に囲まれ、一日に何度もスコールのような雨が降ります。
その雨が、こんなに大らかな植物を育てているのでしょう。