LocoMoco LIFE

シエナウインドオーケストラ クラリネット奏者 飯島泉のブログ

もう一度『アンネの日記』

アムステルダムで『アンネ フランク・ハウス』に行ってから、また読んでみようと思っていた『アンネの日記』。
(アンネ フランク・ハウス ↓)

最近、ようやく読みました。
ユダヤ人の少女アンネが、13歳のお誕生日から書きはじめた日記。
架空の友達キティーにあてたものです。

よく知られていることは、姉のマルゴーが呼び出し状を送られ、強制収容所へ連れて行かれることになり、それを拒否した家族が隠れ家で過ごすという内容。
いつこの場所が見つかり、ナチスに連行されるかわからない。
きっと、毎日が恐怖だったはずです。

私が大昔に読んだ僅かな記憶は、怖くて、可哀想で、悲しくて、、、。
ところが、今読んだ感想はまた違うのです。
13歳のアンネが、つらい感情を抑えて、とても大人びているように感じ、弱音や泣き言を書かず、自分の状況を客観的にみていることに驚きました。
苦しい隠れ家生活の中で、同居しているもうひとつの家族の息子ペーターと恋に落ちる。
こんな状況下でも、幸せをみつけている少女アンネ。
可愛らしく、なんて魅力的なんだろうと思います。
そして、何度も繰り返し出てくる「いつかこの場所を出られたらいいのに」という未来への夢や希望。
だからこそ、世界中の人たちが『アンネの日記』を読むととても勇気づけられるのでしょうね。

日記は、ナチスに隠れ家が見つかる三日前で終わっています。
その後アンネは、収容所でチフスになり命を落としました。
僅か15年の命でした。

第二次大戦のユダヤ人虐殺。
当時のドイツ首相『ヒトラー』は、アンネが亡くなった翌月に自殺します。

終戦のたった2ヶ月前に亡くなった、聡明なアンネ。
当時、ナチスドイツと同盟国だった日本。
大人になった今、是非もう一度手にとってもらいたい一冊です。